これは、宮城県T市のI保育園での、東日本大震災 時の実話です。
「ソイルバッグ工法」により基礎補強を施していたこの保育園では、震災の際に「46人の命」を救う事ができました。
東日本大震災 の1ヶ月ほど前に完成した基礎補強
この保育園では、
- 1階部:保育園バスの車庫
- 2階建て:津波を想定した避難所からなる別棟
を、2011年1月に建設完了していました。
これは、東日本大震災 の起こった3月11日の、まさに1ヶ月ほど前のことです。
また、ソイルバッグ(土のう)は以下のように施工しました。





これら建物基礎の施工写真から分かるように、この木造2階建ての別棟はソイルバッグ4段積みの基礎補強を建物外周部に施していました。
1階が大きなバス車庫であるため、外周部にしか建物基礎を設置できなかったのです。
東日本大震災時の様子 ー保育園の経営者の生の声ー
「3月11日の大地震は非常に長く、とてつもない揺れでした。
保育園の平屋のほうはボロボロになりましたが、あの赤い家(別棟のこと)は無傷でした!
津波のため、2階へ逃げて、まる一日赤い家で過ごすことになりました。
余震も強く、何度も何度もありました。
でも、あの家の揺れ方は今までに感じたことのないものでした。
“ガタガタ”ではなく、“フヮ~”と抜けるような揺れでした。
ですので、子供たちは地震に怖がることなく、ぐっすり眠ることができました!
近所の新しい家の多くは、かなりひびが入り修理している状態ですが、あの赤い家は何ともありませんでした。
「土のう」のおかげで、保育園の園児は救われたのです。
本当にありがとうございました。」
保育園の経営者の声
震災のまる一日後、津波(最大高さ約1.5m)の水の中、自衛隊のゴムボートによって園児全員を含む46人の方が無事救出されたとのことでした。
この「46人」の中には、
- 園児 31人
- 保育士 8人
- 親御さん 5人
- 親御さんのお腹の中の胎児 2人
が含まれているそうです。
ソイルバッグ工法の研究開発者としては、たくさんの方の命を救う事ができ、とても喜ばしく思っております。
震災が起こることは予想にも及びませんでしたが、このような形でお役に立てて嬉しい限りです。
また、東日本大震災 被害に遭われたすべての方のことを考えると、悲しい思いでいっぱいになります。
なお、この保育園では、今度は園児のための「竜巻からの避難所」を建設予定の新保育園舎の床下に、ソイルバッグ工法(D・BOX工法)を用いることを計画されています。
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さらに、「現代版土のう「D・Box」の概要や種類」についてはこちらをご参照ください。