「土のう(ソイルバッグ)工法」が、ケニアで脚光を浴びています。
現地で手に入る材料で工事でき、自然に優しい「土のう工法」。
それに注目したのは、東京の自然保護グループです。
ケニアで道路プロジェクトを進めていたこの団体により、土のう工法がケニアで採用される運びとなりました。
これは、アフリカでの初めての試みでした。
ケニアのマサイマラ国立保護区内で「土のうロード」
2006年11月、土のう(ソイルバッグ)工法に基づく道路が、ケニアのマサイマラ国立保護区内で建設されました。
そのことを、いくつかの新聞が報道しました。
新聞社が報道
3つの新聞社が報道してくださいました。
まず、それぞれの新聞社の報道を見てみましょう。
朝日新聞の報道:

「土のう工法 ケニアで脚光」
「名工大名誉教授考案 現地の材料で道路建設」
「袋に詰めて並べ 押し固めるだけ」
中日新聞の報道:

「ケニアで「土のう道路」造り指南」
「売りは 簡単 安上がり」
「強度はばっちり 象が踏んでも大丈夫」
毎日新聞の報道:

「粘土の大地に土のう工法」
「道路建設に日本の技術」
ケニアの道路環境
ケニアのマサイマラ国立保護区内に建設された幅4メートルの「土のうロード」。
現地は雨期になると、道路が水につかり、車のタイヤが沈み込んで立ち往生してしまいます。
雨季は約4カ月にわたり、その間生活物資の輸送さえままならなくなります。
また、乾期にも土の道路に車のわだちが深く残るため、水に強い道路建設が課題でした。
それで、雨期にも水没しないように砕石入り土のうを4段積みにして、周囲より高く施工しました。
土のうを土でカバーしているため、動物のひづめを傷つけることなく、緑化も自然にできます。
国内・海外での施工実績
本工法は、日本国内で5,000カ所以上の施工実績を持っています。
また、これまでに東ティモール、ネパール、ミャンマーなどでも使われてきました。
なぜなら、工費が安く、地元の人力だけで行えるメリットがあるからです。
つまり、重機は必ずしも必要なく、発展途上国にも導入しやすいのです。
ケニアでの導入までの経緯
本ケースは、ケニアで道路プロジェクトを進めている日本のグループからまず相談を受けました。
そして、2006年11月上旬に現地に入り、住民に土のう積み道路の作り方を指導しました。
まず、今までの経験から最悪地点を選んでもらって、そこに幅4メートル、長さ50メートルの土のう積み道路を試験的に作りました。
この土のう積み道路が、2006年12月から2007年3月の大洪水にも耐えた点は注目に値します。
その結果、地元の人々はそこを”Japanese Technology”と呼んで、日本の技術の高さに感銘の声をあげたとのことです。
土のう積み道路を作る様子











広がる大自然と動物たちに溶け込む土のう道路






























スタッキングから脱出!なんと「土のう」が役立つ

車のタイヤが泥の中にはまり込んで動かなくなってしまうことがあります。
これを、スタッキング現象といいます。
ケニヤの雨季には、こうしたことがよく起こリ、現地の人々を悩ませます。
この状態から抜け出すのに、「土のうをタイヤの下に入れる」ことが有効です!
意外にも「土のう」が役立つ




上の写真は、土のうをタイヤの下に入れ、泥の中から抜け出そうとしているところです。
なお、土のうの中詰め材がスタッキングを起こす現場の近くで手に入れば、軽い土のう袋だけを10枚程度車に積んでおけば対処できますが、重い中詰め材の入った土のうを何袋か車に積んでおくのは実際的でないかもしれません。
それで、軽くて固い木の実のようなもの(例えば、クルミのようなもの)を中詰め材にした袋を何袋か車に積んでおく方法も考えられます。
いずれにしても、実際にやってみて工夫することが大切です!
貧困対策に土のう(ソイルバッグ)工法を
木村亮 京都大学教授(NPO法人道普請人理事長)によると、「農作物を収穫しても家から幹線道路までの道が通れないため出荷できず、貧困に拍車をかけていた」とのことです。
失業率が50%と高いこの地域では、土のう積み道路作りが雇用対策にもなります。
本研究会は、すべて『現地調達』でできる土のう積み道路が、人々に愛され、役に立ち、アフリカ中に広がることを願っています。
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「土のう(ソイルバッグ、D・Box)の強さの原理と効果」についてはこちらをご参照ください。
また、「現代版土のう「D・Box」の概要や種類」についてはこちらをご参照ください。
さらに、「「土を育てる」工法(D・Box工法)とは?」はこちらをご覧ください。
「D・Box工法の設計・施工の基礎」についてはこちらをご覧ください。





