執筆紹介(著書/論文)

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著書一覧

松岡 元:「地盤工学の新しいアプローチ -構成式・試験法・補強法」、京都大学学術出版会、2003.

松岡 元:「地盤工学の新しいアプローチ -構成式・試験法・補強法」、京都大学学術出版会、2003.

〜最新の土の構成式から、自然にやさしい地盤の補強法=「土のう」の再評価まで〜

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4876986150
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4876986156

概要

この本の当初温めていたタイトルは「土の面白い話ー発想の転換」というものでした。

著者の専門は土木工学の土、つまり土の力学や地盤工学ですが、若い頃から一貫して基礎研究を行なってきました。

しかも、力を受けると砂粒1個1個がどのように動くかというような徹底した基礎研究に興味を感じていました。

それは、物事の本質ー根源ーを見極めたかったからです。

そして、あることをきっかけにして研究方向を大きく変換して、土質力学の応用部分である土圧問題、支持力問題、斜面の安定問題を対象とした模型実験を始めました。

本書では、以前からの基礎研究の展開も含めて、今後世の中で使っていただけそうな3つのテーマに絞って3話構成でまとめました。

第1講「新たな土の弾塑性構成式」

第1講は、土が力を受けた時に破壊するかどうかだけでなく、どれだけ変形するかを正確に予測するためのものです。

著者らが1974年に提案したSMP(松岡・中井)規準と、英国Cambridge大学が1960年代に提唱したCam-clayモデル合体をはかったものです。

  • SMP(松岡・中井)規準とは
    • Spatially Mobilized Planeー空間滑動面ーに基づく破壊規準で、土の2次元応力下の破壊規準Mohr-Coulomb(モール・クーロン)規準の3次元版として世界的に認知されている規準。
  • Cam-clayモデルとは:
    • 世界における土の構成式の研究の基礎となってきた先駆的・古典的弾塑性構成式。

第2講「最も簡単な地盤の原位置せん断試験法」

土の強度は土粒子がズレる時のせん断強度です。

土のせん断試験は本質的に「摩擦試験」であるという発想に基づいて、現場の地盤そのものを従来の一面せん断試験の下箱の代わりにしました。

そして、従来の一面せん断試験では「押して」いたものを「引いて」みました。

第2講は、そのようないくつかの工夫をした、世界で最も簡単な地盤の原位置せん断試験について述べたものです。

地盤の上を水平に引っ張るせん断枠の寸法は、粘土用の小型のもの(10cm✖️10cm=100cm2)からロックフィルダム材用の大型のもの(122.5cm✖️122.5cm=15,000cm2)まで5種類を作製しました。

本試験法は、せん断枠の大きさを変えるだけで、小粒径の粘土から大粒径のロックフィルダム材まで、様々な地盤材料に対して同じ計測原理で適用できます。

建設敷地の田んぼの強度試験や関西電力(株)のロックフィルダムの現場の強度試験他に用いられました。

第3講「敵を味方につける地盤の補強法」

第3講は、昔から水防団が洪水時に用いていた「土のう」が、摩擦性材料である土の補強法として最も確実な方法であることを立証したものです。

初めから「土のう」を考えたのではなく、結果として土を完全に包み込んでしまう「土のう」が最も合理的かつ確実な土の補強法であるとの考えに到達したということです。

最も興味深い点は、建物荷重や外力(いわば敵の力)を利用して、摩擦性材料(φ材料)である中詰め土を袋の張力で拘束することによって、粘着成分を有する摩擦性材料(c、φ材料)に変身させることです。

この粘着力cによって「土のう」は人間の予想をはるかに超える耐荷力を持つようになります。

市販の土のう袋の場合でも、コンクリート強度の1/10程度の圧縮強度を有します。

その「土のう」を建物基礎下に適切に配置すると、支持力の飛躍的な増大をはかれます。

さらに交通振動や地震動の低減効果や砕石などの大きな粒子が入った「土のう」の場合は液状化低減効果凍上防止効果もあることが分かって来ました。

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松岡 元:「土質力学 (基礎土木工学シリーズ 15) 」、森北出版、1999.

松岡 元:「土質力学 (基礎土木工学シリーズ 15) 」、森北出版、1999.
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4627426518
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4627426511

これは、著者の実験、施工例など、写真類を多用して土質力学の基本を丁寧に解説した大学・高専の学生のためのテキストです。

これから土質力学を学ぶ方にぜひご理解いただければと願ういくつかの点を次に挙げさせていただきます。

 1.1 概説(pp.1-4)

「土とは何ぞや」と表1.1土質力学の各章における土の見方、すなわち土質力学を学ぶのを難しくしている、一般にはよく知られていない点を述べています。

 2.7 パイピング(pp.55-60)

例えば、熱海土石流災害が起こるべくして起こったことを予告しています。

 5.2 (4)2次元および3次元応力下のの金属と砂のような粒状体の破壊規準(pp.143-149)

結晶構造で固く結ばれている金属とこっぱみじんでバラバラの砂のような粒状体の破壊条件式を両端にして全ての材料の破壊条件式を考えています。

材料力学の真理も、極めて美しいことを式と図形で述べています。

 5.3 (3)排水条件とせん断強度の種類(pp.155-160)

表5.2排水条件と粘性土の強度定数の種類 から分かるように、土の強度定数c、φには4種類あり、その意味を理解して使わなければならないことを述べています。

設計でよく用いるc、φは何となく用いるものではありません。

 8.2 平行すべりによる斜面の安定解析(pp.219-222)

式(8.6)より、30°で保っていた斜面が水の浸透流があれば13°でしか保持し得ないことが分かる。もちろん、30°の斜面は崩壊します。

このことは、特に水源がなくても、長期にわたり豪雨が続くような状況になれば、斜面は表層すべりを起こし、土石流のように下流に向かって土砂が流れる危険性を示しています。

豪雨時の斜面崩壊の一つの原因として常に留意すべき注意点です。

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 [例題] 8.2 (pp.231-233)

この斜面の安定計算は、上に用水が流れていて浸透水がある場合の大会ホールの建設時に行ったものです。

大会ホールをできるだけ用水の堤防側に寄せたいという要望があり、ギリギリの計算結果になっています。

計算のためのモデル化はしていますが、最終的な安全率Fs=1.00でした。

 8.4 (2)粘性土地盤の場合(pp.237-240)

これは、盛土した地盤の場合と掘削した地盤の場合で対象地盤の強度そのものが時間と共に変化するという注意点を述べています。

土は、人間と似ている面があって、ある意味「生き物」です。

 付録 土の一軸圧縮強度の意味するもの(pp.242-247)

土の一軸圧縮試験は、一見円柱形のコンクリートの圧縮試験と似ていますが、その意味は全く違います。

いかに注意して、その意味を理解して使わなければならないことを述べています。

土質試験者自身がこのことを理解されていないかもしれません。

以上、いろいろ気になる点を書かせていただきました。

かえって混乱されたかもしれませんが、自然物である土の面白さと恐さを知っていただければ幸いです。

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松岡 元, 山本春行, 野本 太:「D・Box工法の設計・施工の基礎ー地盤育成強化と液状化・振動・地震動低減ー」、森北出版、2020.

著書紹介「D・Box工法の設計・施工の基礎」
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4627486014
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4627486010

概要

この本の元々考えていたタイトルは、「未来への提言ー土を育てる」というものでした。

私たちの地球の表面を覆っている土は、本質的に土粒子(固体)、水(液体)、空気(気体)からなる 3 相混合体です。

  • 土粒子(固体)
  • 水(液体)
  • 空気(気体)

全く異なる物質から成り立つ多相混合体は,人間にとって取り扱いにくい厄介な代物ですが、自然物であることもあって“夢のある材料”であると思われます。

上記の土の構成に着目すれば,次のことに気付きます。鉄やコンクリートとは違って、土は “ 育てる ” ことができます。

すなわち、子どもを大人に “ 育てる ” ように、土粒子の間の隙間(そこには水や空気がある)を狭めて固くし強くすることができます。

このとき,あまり急激に大きな力をかけて,土を破壊させないように注意しなければなりません。

子どもに,いきなり重いリュックサックを担がせられないのと同じです。

これらのことは、昔から“圧縮”あるいは“圧密”現象としてよく知られています。

このような土のもつ素晴らしい特性を、人間はなぜもっと積極的に活用してこなかったのでしょうか。

“圧密”と聞くと,沈下が収まらない厄介な現象とイメージする人が多いからかもしれません。

地盤は “ 育成強化 ” できる

本編で詳しく述べていますが、ある載荷幅の “ 局所的な圧密 ” をさせるように段階的に載荷していくと,元の地盤の支持力の 3 倍程度まで,短時間に “ 育成強化 ” できることが解析され、模型実験でも確かめられました。

その“育成強化”された領域の内側に、載荷幅を狭くして、さらに“局所的な圧密”をさせるように段階的に載荷しますと、たとえば元の地盤の支持力の 8 倍以上まで、短時間に “ 育成強化 ” できることも解析されるとともに、模型実験でも検証されました。

いまでこそ,このような計算や実験ができるようになりましたが、ソイルバッグ工法( D ・ Box 工法)は,それ以前から多くの田んぼや沼地のような軟弱地盤でこのことを実践して来ました。

理論計算や模型実験は、いわば後付けをしているのです。

具体的にイメージしやすいように言いますと、たとえば N 値が 1 の軟弱地盤を N 値が 3 とか 4 の地盤に、必要に応じて “ 育てる ” ことができるのです。

これからは、 N 値= 1 の地盤は、未来永劫に N 値= 1であると考える必要はないのです。

以上より、地盤は “ 育成強化 ” できるのです。

“ 育つ ” ものを育てないで用いるのは道理にかなわないので、土を育てること、すなわち地盤を育成強化することを、“ 未来への提言 ” として,本書を通して提案しています。

ソイルバッグ( D ・ Box を含む)の特性

 次に、すでに明らかになっていることも含めて、ソイルバッグ( D ・ Box を含む)の特性についてまとめてみます。

① 粒子間の摩擦で保持する土に対するもっとも有効かつ究極の補強法は、「土を完全に包み込み拘束すること」です(粒状体の区画拘束原理)。

ソイルバッグ( D ・Box )はその典型的な適用例です。

ソイルバッグ自体が驚異的な耐力を発揮する力学的なメカニズムが解明され,耐圧力の 2 次元および 3 次元の表示式が誘導されました(付録 1 参照)。

包み込み拘束するだけで、接着剤(セメント)を入れなくても、土粒子間の摩擦力を増やして確実に粘着力 C を付けることができるのです(ソイルバッグが強い本質的な理由はここにあります)。

ソイルバッグ 1 個が 20 ~ 40 tf の荷重(電車の車両 1 ~ 2 台分)に耐えることができるのです。

③ 砕石入りのソイルバッグは、袋の編み目がフィルターのように働いて、水はよく通すが土粒子は通しません。

この結果、水浸ヘドロ状態の軟弱な粘性土地盤であっても、ソイルバッグによって水(水圧)をよく吸収し、ソイルバッグ直下から圧力球根状に局所的に圧密させて直下の地盤をすみやかに育成強化し、地盤の支持力を増大させて沈下量を減少させることができます(ソイルバッグによる局所圧密・強化作用)。

また、水をよく通して水圧を抜き、土粒子は通さないので、液状化対策にもなります。

④ ソイルバッグはわずかなしなやかさを有するので、交通振動や地震動のエネルギーを、目にはみえない微小な袋の伸縮によって、中詰め土の粒子間やソイルバッグ間の摩擦熱エネルギーとして消散させます。

⑤ 砕石を入れたソイルバッグは、凍上防止効果もあります。

ソイルバックの中詰め材の砕石粒子が大きいということは、粒子間の隙間も大きいので水が毛管上昇しません。

したがって、水の補給がないので凍上しません。

 以上述べたように、一つの工法が五つの効果軟弱地盤対策・液状化対策・交通振動対策・地震対策・凍上対策としての効果─をもたらすソイルバッグ工法( D ・ Box工法)のコストパフォーマンスの高さは注目に値します。

まさに “ 一石五鳥 ” の工法です。

  • 軟弱地盤対策
  • 液状化対策
  • 交通振動対策
  • 地震対策
  • 凍上対策

なお、注意すべき点としては、ソイルバッグ( D ・ Box )の袋を日光(紫外線)にさらさないようにすることです。

紫外線防止剤は入っていますが時間の経過とともに袋の劣化は進みます。

土中に埋設すれば、袋の材質がポリエチレン、ポリプロピレンであるので、半永久的にもちます。

あとがき

心静かに振り返ってみますと、 1990 年代初めに“ソイルバッグ工法”の研究を始めてから今日まで、この工法を特に軟弱地盤対策としてとか、液状化対策、振動対策、地震対策として開発してきたという思いはほとんどありませんでした。

この工法は、ただ土の特性の原理・原則を追いかけていくうちに、何かに導かれるようにして上記の多くの効果があることが分かって来て今日に至っています。

何だか大変“幸運”な工法であることに、いまさらながら気付いた次第です。

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Hajime Matsuoka and Sihong Liu:「A New Reinforcement Method using Soilbags」, Taylor & Francis(Formerly A. A. Balkema) Group, London, UK, 2006.

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この本は、地盤工学の新しいアプローチー構成式・試験法・補強法ーの第3講を英訳して、その後の研究成果を追加したものです。

共著者 Sihong Liu氏は、当時名古屋工業大学の松岡研究室の中国人留学生として博士号を取得し、現在は中国南京市の河海大学水利水電工程学院の教授です。

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Overview of a book ”SMP Concept-based 3D Constitutive Models for Geomaterials”
  • ISBN ‏ : ‎ 0415395046
  • ISBN ‏ : ‎ 9780415395045
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 9783527329939
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-3527329939

この本は、地盤工学の新しいアプローチー構成式・試験法・補強法ーの第1講を英訳して、その後の研究成果を追加したものです。

共著者De`an Sun氏は、当時名古屋工業大学の松岡研究室の中国人留学生として博士号を取得し、現在は中国上海市の上海大学土木工程系の教授です。

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論文一覧

*全論文百数十編のうち、「土のう工法」に関する一部を紹介。

「現代版土のう工法としてのD・BOX工法と その「一石”多”鳥」効果 <上><下>」

現代版土のう工法としてのD・BOX工法と その「一石”多”鳥」効果 <上><下>

(財)建設物価調査会発行の季刊 土木コスト情報(2011年1月号、4月号)記事より

「現代版土のう工法としてのD・BOX工法と その局所圧密効果および振動低減効果」

「現代版土のう工法としてのD・BOX工法と その局所圧密効果および振動低減効果」 ジオシンセティックス論文集投稿

ジオシンセティックス論文集投稿 2010年12月4日

「土のう(soilbag)による地盤環境振動対策工法」

土のう(soilbag)による地盤環境振動対策工法

地盤環境振動対策工法講習会 地盤工学会 2010年5月18日

「土のう(ソイルバッグ)」

土のう(ソイルバッグ)

技術手帳 November,2008 pp.47〜

「土のうによる超軟弱地盤の「局所圧密・強化」工法」

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第43回地盤工学研究発表会講演会集(広島) 2008年7月

「高規格連結土のう工法による沼地上の道路建設事例」

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第43回地盤工学研究発表会講演集(広島) 2008年7月

「超軟弱地盤(沼地)対策のための高規格連結土のう工法 - 国道125号線(埼玉県)道路工事」

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基礎工 Vol.36,No.4  2008年4月号,pp.71〜75

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